[雑記]YouTubeがFlashからHTML5に移行ということでFlashの思い出話。

YouTubeがデフォルトの動画プレイヤーをFlashからHTML5に移行したという記事を見ましたので、一時代の隆盛を見たということで、思い出語りをしたいと思います。

YouTubeがFlashからHTML 5に移行した今こそ振り返るスティーブ・ジョブズの5年前のレター : ギズモード・ジャパン

FLASHの思い出。

僕がWEB業界に入った頃、2000年代前半くらい前の話です。その頃はFLASH全盛時代だったと記憶しています。
僕は学生時代からウェブサイトを作る仕事がしたいと野心に燃える若者だったのですが、特に技術や知識があるわけでもなく、漠然とそう思っているだけでした。
とは言え、星の数ほどあるウェブサイトを見てhtmlの仕組みや、デザインの表現は勉強をすることができましたので、寝食を忘れありとあらゆるジャンルのサイトを眺めては、スクリーンショットを取り、600%くらいまで拡大してテクスチャパターンの作り方やら、アイコン1pxの重要性、グラデーションの色配分などを目を皿にして、それこそディスプレイに穴が開くほど見つめていました。
あぁ、この罫線は黒じゃなくて#333のグレーと#fffの1pxずつ組み合わせて表現しているんだ、とか、べた塗りに見えて実はほんのりグラデーションがかかってるんだ、とか、えっウェブサイトってtableタグで作るの!?とかそういう感じです。あの頃は見るものすべてが楽しくて仕方ありませんでした。

しかし、FLASHに関してはあまり興味がありませんでした。いや、語弊があります。
FLASHは見ても勉強にならなかったのです。それはなぜか。

ソースコードが見れない

Flashは当時Macromedia Flashというソフト(現在はAdobe Flash)でしか作成できない上に、Flashをブラウザで表示するために.flaファイルを.swfへパブリッシュする必要がありました。
.swfファイルはブラウザのプラグインという形でインストールされたFlash Playerで再生されます。.swfは再生するためのファイル形式ですので、中身に何が書いてあるのかはわかりませんでした。
中身がどうなっているかわからないということはつまり、どう書いたらどういう風に動くかがさっぱりわからないということです。
ちなみに、Flash Playerは無償で提供されていたので、誰でもダウンロードしてインストールすることができますが、Flashは有償です。テキストエディタだけあれば始められるhtml+javascriptとはエライ違いですね。

今だったら何で例えようかな…PDFリーダーみたいなもんですかね。OSXだと印刷代わりに PDF出力できるから違うな…。
とにかく、Flashを作るためには専用のソフトが必要でそれが結構な値段で販売されていて、さらにいろんなサイトを見て学習しようとしても構造がどうなっているのかわからず、勉強するためにまず超えなきゃいけない壁が結構大きかったんです。

それでもやらなきゃならなかった

そんな僕でも、運良く雇ってくれる会社があって、もちろんFlashの制作もありました。
運良く雇ってくれた会社でも、運悪くFlashができる人が僕と入れ替わりで退社、二日間だけ前任者の人にFlashの基礎の基礎を教えて貰いました。
OnMouseOver(だっけ?)とか、OnReleaseだとか、this.stopとかそんなレベルの話です。正直、仕事になるわけがありません。
traceも知らないので、意図通りに動かない場合の対処の方法すらわからない。
幸いにも、会社に参考書は大量にあったので、ひたすら読んで、ググっては目的のものが探せず悩んだり、前任者が作った.flaファイルをいじって…を繰り返して勉強しながら仕事していました。
Flashに造詣の深い人脈もなく、誰にも聞けない状況で、あーでもない、こーでもないとFlashと格闘を繰り返しておりました。

もしもあの頃、Flashを良く理解している人が一緒に仕事をしていたら、僕のFlashに対する考え方は今と違っていたのかもしれません。

ぶっちゃけ、今考えればよくあのクオリティで給料もらえたなぁと当時の会社の優しさを今ひしひしと感じております。

それなりに作れるようになった

とまぁ、わからないながらも何回も触っているとググり方もわかってきて、理解も深まり、転職をしたりしてFlashを触る機会も増え、それなりに仕事として作れるレベルにはなったんです。
タイムライン制御だったものをActionScript制御で出来たり、外部データと連携したり、と、やれることも増えました。
多分やっとそこで仕事としてお金がもらえるレベルだったんだと思います。

やっとFlashでも仕事できるじゃん、と思ってた矢先にiPhoneが。

設計、デザインや、HTMLとCSSに関しては普通に仕事としてできてると思ってて、仕事の選択肢としてFlashも増やせるなぁと思っていた頃に海の向こうではiPhoneが登場。
2007年頃だったかな。当時は日本じゃ売ってなかった。
翌年にiPhone3Gが日本でも販売されて、爆発的に普及したのは記憶に新しいところですが、もう7年前の話なんですね。つい最近のように思えます。

その頃お客様から「iPhoneでメインビジュアルのところが真っ白なんですが」という問い合わせがいくつかあって、毎回「iPhoneではFlashが表示できないんですぅ〜」という言い訳をしておりました。
代替手段はFlash Playerがないときにインストールを促すアラートの代わりに画像をただ置くだけ。単純な複数の画像を切り替えるスライドショーならまだしも、当時は複雑な動きをするFlashをメインビジュアルに使用しているサイトも多数あったのでJavascriptで実装しようにも、コスト面で妥協せざるを得ませんでした。

さらに、Flashには、前述のように専用のソフトでないと開発できないことだったり、HTML+Javascriptに比べてCPUにかかる負荷が大きかったり(作り方にもよるけれど同様の動作をさせるのであればという条件で)、.flaファイルの中身の作り方によっては、作った人しか理解できなくなってしまうブラックボックス化からのメンテナンス性の低さだったり、検索対策が甘い(できるんだけどswfの中身が見えない関係で効果がわかりにくい、SEO業者に嫌われる)と、デメリットの多さもありました。
しかしながら、それまでのプラットフォームで多彩な表現のできるFlashは、上記のデメリットを打ち消してお釣りがくるほどの有用なツールだったのです。
iPhoneのFlash非対応や、PCブラウザのHTML5+CSS3サポートによる代替技術の発達によって、業界全体の考え方が変わってくるまでは。

と、業界全体でだんだんとFlashは使わない方向で考え方がまとまりかけていた過渡期ですが、未だにお客さんからは「Flashでお願いします〜」という依頼もあったりしました。
「予算との兼ね合いもありますが、スマホでの表示や今後のメンテナンス性も考えてFlashはやめましょう」という話を、何度かした記憶があります。

Android

せっかくみんながFlashをなるべく使わない方向で動いていた矢先、Androidがリリースされました。
どうやらAndroidはFlash Playerがインストールできるらしい。

業界騒然、となるわけはなく、すでに多くの人たちがFlashを利用することのメリットデメリットを理解しているため、AndroidでFlashが再生できることは、Flashの終焉を遅らせることはできませんでした。
FlashのCPUの負荷が大きいということはつまり、より多くの電力の消費につながります。モバイルデバイスですので電力は電池を使用するので、電力を多く消費することは電池の減りが早くなることを意味します。
また、日本でAndroid黎明期にリリースされた端末はそれぞれが貧弱なメモリしか搭載しておらず、Flashが含まれるウェブサイトを表示するとフリーズしたり、ブラウザが強制終了したりという事態が頻発しました。そういったこともあり、Flashを使用するサイトは次々と消えていったのです。

なお、Android向けFlash Playerは2013年にサポートが打ち切られました。合掌(-人-)

おわりに

今後の動静を考えるに、そう遠くない将来にFlashを利用したサイトは確実にその数を減らし、開発ツールであるAdobe FlashもFireworks同様に姿を消していくのでしょうか。
近年のAdobe Flashでは、AIRアプリ開発、HTML5 canvas制作ツールとしての機能が強化され、もともとのflash作成という面はあまり目立たなくなっています。

すでに若い人たちはFlashそのものの存在自体を知らないと思います。
未だにFlashを使用しているサイトが、web黎明期のmarqueeタグやblinkを多用したサイトのような過去の遺物、化石のような扱いを受けることもあるのではないでしょうか。

というわけで久しぶりにFlash触ってみたけど、懐かしすぎて泣けてきた。
さらに、swf埋め込みの記述の仕方忘れてわかんない!

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